つぶやけるだろうか。
自分の中から言葉にして紡ぎださないと・・・送れない。
小さな守れなかった命、てんてんのこと。
出逢いも唐突なら別れも本当に思いがけない形だった。 何をどう言葉を重ねても あの子のかわいらしさ、賢さは誰かに伝えるべくもないけれど。
多分、目の障害のせいでお山に捨てられた子猫。
はるか長い道のりを辿ってどういうめぐりあわせか わが家にたどり着いたボロボロの子猫。
鳴き声に駆け付け 戸惑う黒猫浅黄をしり目にすたすたと近づいて 前足で引き寄せて毛づくろいを始めた、まる。
そこからはもう家族の始まり。
でも、たった14日だった。 まるを母に、さまざまの手ほどきをする浅黄を父に。
日に日にきらめくような子猫の激しさで世界を広げ始めた矢先。
目の障害を治療しておかないと・・ということでゆだねたのだけれど すでに処置のしようなく片眼がふさがれた状態でもてんてんはてんてんと 受け入れみんなでただ健やかであれと心砕いたのだけど。
弱っていた体に負担が掛ったのか、要らぬ細菌を育ててしまったのか ひとり知らぬ間に逝ってしまった。
その衝撃は今でも私を苦しませる。
でも、思うの。 てんてんの生きようとした意志。 自分の人生を自分で切り開いたあの小さな雄々しい姿。
わたしに力を伝えてくれてるのよ。
あなたからの命の伝言、私はそう思って今日も頑張る。 ありがとう。ありがとう。
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